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2024 Oct.

プラスチック若者会議提言書

若者たちによる、野心的な国際プラスチック 条約締結に向けた政策提言書

2024年10月発表 プラスチック若者会議

1.プラスチック汚染問題の現状

 プラスチックは私たちの生活に欠かせない便利な素材として広く普及している一方で、海洋汚染や健康被害など、様々な問題を地球規模で引き起こしている。プラスチック汚染のもたらす問題として、大きく「気候変動問題」「自然・生物多様性の損失」「プラスチック廃棄物問題」の三つを取り上げる。
 「気候変動問題」の観点では、プラスチックの原料が石油であり、原料採掘から製造工程、そして廃棄までに膨大なCO2を排出しており、地球温暖化の要因の一つとなっている。
 「自然・生物多様性の損失」においては、プラスチックの化学構造上分解がされにくいことを主な要因として、海洋プラスチックによる、海洋生物をはじめとした生態系への被害が数多く見受けられる。加えて、マイクロプラスチックによる我々の人間への影響も様々な研究によって証明されている。
 「プラスチック廃棄物問題」に関しては、廃棄物処理のキャパシティの限界等を理由に先進国から途上国へのプラスチック廃棄物への輸出が今でも行われていること、またそれによる途上国の人々に健康被害が生じていることで、ウェイスト・ピッカーを危険な化学物質の被爆にさらしている、などの問題があげられる。
 上記のような問題は長年問題視されていたものの、各国による取り組みでは限界があった。そのため、2022年の国連環境総会で法的拘束力のある国際プラスチック条約の締結が2025年までに予定されることとなっている。

2.私たちの目指す社会像と提言の方向性

 上記の問題を踏まえて、私たちはプラ汚染対策として下記3点を前提とし、各テーマについて議論した。
1.プラ全体の生産量・使用量の削減
  マイクロプラスチックによる我々人間を含む生態系への影響や、1.5度目標を達成するためのCO2排出量を考慮して、まずはプラ全体の生産量・使用量を減らす必要があると考える(リデュース)。その際に、現行商品について本当にプラスチックでないといけないのかを考えて、再利用(リユース)や詰め替え(リフィル)に置き換えることができないか検討する必要がある。
2.環境配慮型商品やシステムの推進
  どうしても減らせないものについては、バイオプラやリサイクル素材を使用した商品に移行するべきと考える。また、その際、リサイクルができるバリューチェーンを含めて、商品設計をする必要がある。
3.世界共通ルールの作成
  環境配慮型商品を普及させるために、法規制が必要である。環境配慮に取り組む個人や企業がメリットを受ける仕組みづくりを世界全体の共通認識として、条約内容の作成をする必要がある。

3.提言

 プラスチック若者会議開催の目的は、国際プラスチック条約締結に際し、日本の若者に本議題について開かれた議論の場を提供することである。また、今回の政策提言の目的は、世界各地で実践されている若者会議を活用し、多様な若者の意見を集約し、それを政策や日本の立場について決定する際に考慮頂くこと、提言の成果を訴え、プラスチック問題と若者の意見反映に関して世論喚起を行うことの二点である。
 
 私たちは、「ユースとして、国際プラスチック条約の締結に向けて思いを届ける」を⽬標に設定し、研究者や実業家、NGOのレクチャーによりプラスチックによって生じる問題や日本の立場について、オンラインプラットフォームも活⽤しながら学びと議論を重ね、テーマ別に提⾔を作成した。したがって、テーマ別に以下を提⾔する。

 プラスチック若者会議開催の目的は、国際プラスチック条約締結に際し、日本の若者に本議題について開かれた議論の場を提供することである。また、今回の政策提言の目的は、世界各地で実践されている若者会議を活用し、多様な若者の意見を集約し、それを政策や日本の立場について決定する際に考慮頂くこと、提言の成果を訴え、プラスチック問題と若者の意見反映に関して世論喚起を行うことの二点である。
 
 私たちは、「ユースとして、国際プラスチック条約の締結に向けて思いを届ける」を⽬標に設定し、研究者や実業家、NGOのレクチャーによりプラスチックによって生じる問題や日本の立場について、オンラインプラットフォームも活⽤しながら学びと議論を重ね、テーマ別に提⾔を作成した。したがって、テーマ別に以下を提⾔する。

【持続可能な生産と消費】

現在のプラ生産は、気候変動目標とも生物多様性目標とも整合的ではない。この持続可能ではない生産と消費を

どう持続可能にするのか、1.5度目標と整合的なものはなにかについて議論した。

(1)総量削減(リデュース)

●現状/問題
 現在、持続可能な社会の構築が提唱されている中、リサイクルという最終手段に頼り、プラスチックの大量生産・消費による温室効果ガスの排出が増え続けている現状がある。1950年以降のプラスチック世界生産量累計は2017年に92億トンだが2050年には340億トンと見込まれており(参照:Andrades etal. 2018; Boucher and Billard 2019; Geyer 2020.)、世界で生産されたプラスチックのうち10%未満しかリサイクルされていないことから、リサイクルだけでは追いつかないことが明らかである。
 また、2019年のプラスチックの生産と焼却によるCO2排出量は石炭火力発電所189基分に相当し、2050年には615基分に相当する量が見込まれている(参照:プラスチックと気候:プラスチック地球の隠されたコスト(Plastic & Climate: The Hidden Costs of a Plastic Planet ))。温室効果ガス排出が増加し続ければ、気候変動問題が深刻化し、パリ協定で制定された1.5℃目標達成が厳しくなるとともに、プラスチックの海洋流出により、海洋生態系が深刻な被害を受ける。このようなことから、プラスチックの総量削減が急務である。
●提⾔
★パリ協定1.5℃目標に整合する温室効果ガス排出削減のためにあらゆる施策が必要である中、生産量の増加を止めなければ温室効果ガスの排出は増え続けることを踏まえ、リデュースの優先順位が最も高く、条約においてはプラスチックの総量を減らすための世界共通の措置や削減に関する目標を盛り込むべき。

(2)有害な化学物質の規制

●現状/問題
 最近の研究によれば、幅広い用途にわたり13,000種類を超える化学物質がプラスチック及びプラスチック製造に関連していることが判明している。そのうちの10の化学物質グループ(化学、用途、または発生源に基づく)がその毒性とプラスチックから移行または放出される可能性のために重大な懸念があるとされている(参照:Chemicals in Plastics - A Technical Report | UNEP - UN EnvironmentProgramme)。
 プラスチックは製造過程や生産過程で有害化学物質が放出されることがあり、これらの化学物質は、癌や神経障害などの健康被害を引き起こす可能性がある。また、プラスチックに含まれる添加剤は有害物質を吸着しやすく、生物濃縮により環境ホルモンが蓄積する。
 さらに、自然界に流出したプラスチックは紫外線劣化により細分化され、回収が困難になるだけでなく、血管内などに侵食し悪影響を及ぼすとされているが、十分な研究結果が挙げられていない。
 海洋中に流出したプラスチックは広範囲に移動するため一国家の領域内で調査が困難であるが、国際的な調査基準がないため、研究結果の比較が困難である。そのため、国や研究機関ごとの調査方法が統一されておらず、研究範囲に差が生まれていて、継続的な研究も不十分である。
●提⾔
★使い捨てプラスチックや健康被害のリスクがあるプラスチックについて、よりリスクの高いものや技術的に可能なものから禁止を義務付けるべき。
★また、有害化学物質(マイクロプラスチック、添加物)に関する研究を推進するため、プラスチックに関する専門的な国際機関を設立し、国際的な有害化学物質(マイクロプラスチック、添加物)解析技術の統一を図るべき。

(3)環境流出や負荷の軽減

●現状/問題
 廃プラスチックの半分を占める容器包装類は、依然としてその多くが使い捨てであり、すぐに廃棄されるよう設計されており、多くが環境流出に繋がっている。また、現在世界でリサイクルされたプラスチックは約10%未満にとどまっている。日本においては廃プラスチックのエネルギー回収の割合が大きく、CO2排出に繋がっている。
●提⾔
★使い捨てから脱却し、プラスチックを循環させる施策としてリユース・リサイクルを最大限導入するべき。
・ リユースの推進を進め、リユース製品・事業に対して公的な支援をすべき。
・ リサイクルについて、マテリアルリサイクルを原則とし、エネルギー回収は推進すべきでない。
・ プラスチックの分別基準を細かく設定し、分別を推進すべき。
・ リサイクルを前提とした製品設計を推奨すべき。
※詳しくは【リユース/エコデザイン】で提言する。

(4)作る責任・使う責任

●現状/問題
 現状、プラスチック汚染における生産者と消費者への責任が小さく、大量生産・大量消費の社会構造が浸透しているため、責任を公正に分配するべく、拡大生産者責任(EPR)と呼ばれる政策アプローチによって物理的または金銭的責任をサプライチェーンの上流である生産者にシフトする動きが見られる。
 一方で、EPRに関する政策の解釈や制度基準・利用状況は、国ごとによって異なっているのが現状であり、生産者側への責任追求が十分だとは言えず、バージンプラスチック製品の広まりが深刻化している。また、特に日本は消費者におけるプラスチック利用への法規制が少なく、関心も薄い。一人当たりのプラスチック容器包装廃棄量は2019年度時点で世界2位となっており、規制の必要性が迫られている。
●提⾔
★生産者から消費者まで責任が分配されるようにプラスチック容器包装税の導入をすべき。
★税制度の導入に際して、課税対象や額などに対するガイダンス作成を行うべき。
★消費者への周知を推進するために商品パッケージに基準達成度マークを導入すべき。

【リユース/エコデザイン】

脱プラ経済に向けては、イノベーションが必要だ。どのようなデザイン・リユースを世界で進めていくべきか、

そこで考慮すべきことはなにか、どうリユースを拡大できるかを議論した。

(1)環境負荷の少ない製品・仕組みの援助

●現状/問題
 現在普及しているリユースシステムやエコデザイン商品は、使い捨ての商品に比べて利便性が低く、使いづらいという問題がある。
 リユースやエコデザインを普及させるための法整備が不十分であり、インセンティブを設けることや、INC-5の決議内容に基づいた刑事罰のある法的枠組みや規制が必要である。消費者が手間なくリユース製品を使うことができる仕組み作りも求められている。
●提⾔
★条約において、各国がプラスチックの不適切な廃棄に対する罰則を新たに設ける、もしくは強化することを義務付けるべき。
★ライフサイクルにおける「販売・提供」を行う企業に対して、プラスチック排出規制や削減目標の設定を義務付けるべき。
★2040年までのプラスチック削減目標の具体的な計画目標を策定し定期的に監視・報告するべき。

★プラスチックの使用量削減によるインセンティブを大きくするために、リユース商品を購入した際にポイントが貯まる仕組みや、リユース商品の使用で得られる割引クーポンなどを取り入れるべき。
★リユースやエコデザイン商品の普及を促進するための法的枠組みを整備するべき。

(2)環境負荷の少ない製品・取り組みの周知徹底

●現状/問題
 リユースはリサイクルよりもコストが少なく、より持続可能な方法であることを広く知ってもらう必要があるが、リユースシステムやエコデザインの必要性が十分に認識されていない。
 また、教育の場において、プラスチックのリサイクルに関する学びの機会が欧米に比べて少なく、市民への周知を含めた問題意識の認識向上と行動変容の促進が求められている。
●提⾔
★企業と協力し、若者に受け入れられるエコデザインやリユースシステムを構築するべき。
★日本の小中学校の教育指導要綱において、プラスチックの3R(リデュース、リユース、リサイクル)について学ぶ時間を設けるべき(生分解性プラスチックやプラスチックのリユース方法など)。
★プラスチックの削減の重要性を周知するための教育プログラムやイベントを国主体で行うべき。

【漁具廃棄物などゴーストギア対策】

海洋汚染の大きな原因となっているのは、漁業由来の海洋プラスチックごみ「ゴーストギア」である。

現状への理解を踏まえ、どう対策を進めるべきか、議論した。

(1)状況把握の徹底

●現状/問題 
 全世界で使用される漁網の5.7%、籠や壺などの仕掛けの8.6%、釣り糸の29%が海洋に流出していると推測される(参照:Richardson et al.)。しかし現状、どこにどのくらいの海洋ごみが流出しているか、リアルタイムに流出場所や流出数量など全体概要を把握することができていない。そのため、ゴーストギアによる被害状況を推測でしか分からず、回収や、適切なゴーストギア削減目標を設定することが困難になっている。
 また、国際プラスチック条約の草案には、運営機関と補助機関設立の明記がある。ただ、具体的にどんなことをする機関かは不明瞭である。
●提⾔
★様々な地域で定期的に海底調査を実施し、状況報告をすることを義務づける内容を国際プラスチック条約の内容に盛り込むべき。国際プラスチック条約草案にある補助機関の役割として、ゴーストギアの現状を調査し、データを集約することを盛り込むべき。
・例えば、IPCCのように、プラ問題の現状や対策に関する科学的知見が集約される組織を設立してほしいと考える。
・ 参考:IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)・・・気候変動とその対策に関する科学的な知見を提供している世界的な組織であり、世界中の科学者が協力して、科学誌などに掲載された論文などの文献に基づいた定期的な報告書を作成し、公表している
(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ipcc.html)。

(2)責任の所在の明確化

●現状/問題 
 ゴーストギア問題には、下記の通り、大きく3つの問題が生じている。そのため、漁業者だけで流出漁具による悪影響の最小化、流出漁具の回収、流出防止は限界がある。
・流出漁具により、無意味な海洋生物捕獲が続けられてしまう(原因:生分解性など環境配慮設計漁具のコストが高く、漁業者が購入するハードルになっている)。
・回収に繋がるインセンティブがほとんどないため、流出漁具の回収が難しい(原因:回収に危険性を伴う、回収・廃棄コストが高い)。
・気象影響や、海上の監視が薄いことにより、流出防止が難しい(原因:・悪天候等による紛失事故が起こる、違法・無報告・無規制漁業がある、流出漁具の特定ができない)。
●提言
★拡大生産者責任のある漁具メーカーを含め、漁業者・漁協・地方自治体・国の役割や責任を明確化することを各国政府に義務づける内容を国際プラスチック条約の内容に盛り込むべきである。

(3)漁具管理の強化

●現状/問題 
 現在、漁具の流出を予防するための仕組みがない。例えば、海上は監視の目が薄く、漁具を意図的に廃棄しても見過ごされやすい。また、悪天候や盗難で、だれがどこでどのくらい漁具を紛失したかわからないなど、漁具管理ルールが明確でない。
 そのため、1990年代から、下記のようなQRコードを漁具につける漁具マーキングが注目されてきた。漁具マーキングによって、流出漁具所有者が特定できるため、流出者に直接汚染の責任を持たせることができる。ただ、現在は特定のエリアで取り組まれているため、漁具マーキングで漁具管理を強化している人自身が、汚染の責任を持つこととなる。

●提言
★漁具マーキングやGPSの設置、定期的な棚卸し、流出後の報告を漁業者全員に義務づけることを、国際プラスチック条約の内容に盛り込むことで、漁具管理強化や漁具回収に取り組む個人や団体がメリットを受ける仕組みを確立すべき。
★ただし、プラスチック代替手段(バイオプラ等)など、流出後に環境負荷を与えない漁具は除外するなど、どの漁具の管理を強化すべきかについては、慎重に判断する必要がある。

【公正な移行】

現在のプラスチックサプライチェーンでは、プラごみなどを拾って生計を立てているウェイスト・ピッカーを

含め、多くの人が関わっている。誰一人取り残さない形で脱プラ移行とは何か、議論した。

(1)ウェイストピッカーへの包括的サポート

●現状/問題
 ウェイストピッカーをはじめ、プラスチック産業の下流(廃棄・リサイクル)に関わる人々がこの条約により職を失う可能性がある。ウェイストピッカーは東南アジアや南米をはじめ、先進国にも存在し、INTERNATIONAL ALLIANCE OFWASTE PICKERSの調査によれば世界には約46万人がこの仕事に関わっているとされている。多くのウェイストピッカーは近隣のインフラが整っていないことが多く、金銭面以外でも生活は不安定な状況にある。彼らは政治的に弱い立場に置かれていることが多いため、各国は適切かつ包括的に保護する必要がある。
●提⾔
★職業紹介など仕事の移行システムを構築するとともに、明確なルールを作成するべき。例えば、廃棄・リサイクル段階に関わる全ての関係者に最低賃金が払われていることを確認するべき。また、衛生・教育・保険など福利厚生・生活インフラ面を支援すべき。
★ウェイストピッカーをリサイクルプロセスで雇用できるよう、教育等のサポートを行う努力義務を定めるべき。雇用促進や代替方法の生産をしている企業への税優遇を行うべき。
★先進国は途上国に対して、公正な労働や、社会的基盤を保障するための技術支援を行うべき。また、発展途上国のごみ処理能力を無視したごみ輸出を禁止すべき。

(2)製造者への支援

●現状/問題
 環境規制の強化やプラスチック使用削減の取り組みが進む中で、カトラリー(使い捨て容器)製造業者など、上流(製造段階)で働く人々が職を失う可能性がある。
●提⾔
★福祉の充実のために、職業紹介など仕事の移行システムを形成すべき。リサイクルやリユースのプロセスで雇用するか、それ以外の業種へ移行できるように協力すべき。その際は、労働者の権利と福祉を保護するよう留意すべき。
★従業員の再訓練とスキル向上を支援すべき。プラスチック製造業者に対して、職業訓練や教育プログラムを提供し、より持続可能な産業へ成長させるよう支援すべき。また、グリーンテクノロジーの分野および、リサイクルやリユースのプロセスでの雇用を支援するシステムを構築するとともに、その際の労働者の権利と福祉を充実させるよう努めるべき。
★研究開発による雇用促進を推進すべき。バイオプラスチックやその他の環境に優しい素材など、代替素材の研究開発を促進し、製造業者がこれらの新素材を使った製品を生産できるようにするべき。

(3)適切な監督機関の設置

●現状/問題
 現在の条約案には、ガバナンスや第三者委員会が欠落しており、条約の実施、監視、評価、改訂のプロセスには、当事者の参加が不可欠である。
 また、ウェイストピッカーやプラスチック製造業従事者等の声が政府に届きづらい可能性がある。
 そのほか、脱プラスチック社会を進めるにあたり、医療品など、代替しにくいプラスチック製品については慎重に検討する必要がある。
●提⾔
★この条約の監督機関(国際組織または第三者委員会)を設けるべき。監督機関は、当条約の適切な執行を監督するとともに、プラスチック産業にかかわる全ての当事者らに、監視・評価・改定などに参加できるプロセスを設け、悪影響が出た際の相談・通報窓口の役割を持つ必要がある。
● 参考:パリ協定では、排出量取引にあたり24名のメンバーで構成される監督機関が設置された。人権や先住民族の権利の考慮、セーフガードや、持続可能な開発への配慮のためのツールの開発等を担っている(https://www.env.go.jp/content/000060573.pdf)。
★医療品、介護用品など、代替不能なプラスチック製品の価格を維持し、必要不可欠なプラスチックが流通するように制度を整えるべき。
★各国の進捗や寄せられた通報、人権上の課題などを定期的に調査し、報告するべき。問題が発生した際は、各国はその報告を元に議論し、問題再発防止に取り組むべき。

【ステークホルダー参画】

若者など、声を届けにくい人々が、地球全体の将来を決めるこの条約の締結や、実施、モニタリング、

フォローアップに公正に参画できることが重要である。そのための原則や取り組みについて議論した。

(1)若者の参画の場を確保した、定常的な市民会議の場を

●現状/問題
 世界には、市民会議の場が設置されている国が複数あり、積極的な市民の政治・社会参画が促されている。しかし、日本には定常的な市民会議の場は極めて少なく、不定期に開催される程度である。
 また、将来世代は現世代よりも一層深刻な環境下に置かれることが予想されている。欧米では気候変動問題をはじめとして環境問題への意識が広く共有されているが、それに比べると、日本では一部の若者や環境NGOの主張でしか耳にしない。また、社会的に脆弱な立場に置かれた人の参画は十分に確保されておらず、プラスチック問題も同様の問題をかかえていると言える。
 また、社会問題への関心が高まってきている一方で、日本国民は、欧米やアジア諸国と比較して政治への関心の水準が低いと言われており、政治参画を促すための活動が必要である。
 今回のプラスチック若者会議では、多様なバックグラウンドをもつ30歳以下の若者が集まり議論を行っているため、様々な意見を集約して提言を行うに至っている。
●提⾔
★定期的な市民会議を開催すべき。市民会議の内容詳細を下記に提言する。
・各国で、市民会議を行うことを義務付け、プラスチック条約改正に対しての提言案や、すでに施行されている国内法に対する改正案について話し合いを行う。
・ 2、3年ごとに、市民会議を開催する。条約改正などで政府間交渉委員会が会議する際には、市民会議の議論を共有する。
・ 最終的には国際的に各国の提言と取り組みを共有する場を用意する。
・ 関連する活動を行っている若者団体、各自治体、環境分野を専門とする教育機関を通して公募を実施し、より多くの人の目に留まるように広報を行う。
・ 参加者は、年代ごとの参加割合を約14%確保することを基本とする。また、若者に関しては、国連の定義に則り、15歳以上24歳以下を募集する。しかし、14歳以下の市民の募集があった場合、厳守ではなく、各国に委ねるような形を検討する。
・会議の事務局においても多様な意見を反映させられるように、プラスチックに関する活動を行っているNGO、大学などの教育機関や行政、若者などのステークホルダーを巻き込む。
・政府による経済的支援は、他国の会議の予算を参考に、運営が円滑に進むための予算を確保する。

(2)中小企業への望ましい支援を実施するにあたり、脱プラに向けたヒアリングの場を確保すべき

●現状/問題
 政府は、プラスチック資源循環戦略(令和元年5月31日)から、「リデュース等の徹底:中小企業・小規模事業者など国民各界各層の状況を十分踏まえた必要な措置を講じます。」と掲げている。加えて、中小企業庁では定期的なヒアリングセッションの場が設けられているが、脱プラに関する言及は見られなかった。
 日本やアメリカ、イギリス、ドイツなどの製造業が盛んな国においては、中小企業が全産業に占める割合は約99%であり、経済の重要な担い手であると言える。また、中小企業は製造業のライフサイクル全体にわたって重要な役割を果たしており、原材料の調達から製品の開発・製造、そして廃棄・リサイクルまでを担い、経済の基盤として大きな影響力を持っている。
 その一方で、消費者向け商品を扱う大企業ほど脱プラに敏感だが、サプライヤーとなっている中堅・中小企業の動きは充分に進んでいるとは言い難い。世間でプラ問題が騒がれても、取引先から指示がないと代替素材への切り替えを検討しないサプライヤーが多い。脱プラが進みにくい中小企業の行動変化を一挙に促していくための規制や法律の枠組みがないことが最大の課題である。
●提言
★中小企業の現状把握などヒアリングの場において、脱プラ支援を前に進めていくための議論の場を確保することを国際的に取り決めるべき。
・自動車部品や包装などのプラスチック利用がより多い業界の企業を対象に、事前にプラスチック利用に関する意識調査を行い、意識づけが不十分な業界を明らかにする。
・ ヒアリング調査を基に得られた情報を基に、具体的な法や計画、予算の設定に反映させることで、より実践に役立つ政策を実現する。
★その後の動きの展望として、DX(デジタル庁)のように、中小企業におけるプラごみ処理についての具体的な計画、事例を例示すべき。また、それにとどまらず、政府や自治体単位で、具体的計画案の策定、法律、規制の導入などにより直接的にアクションを促すべき。
・ 参考:イギリス政府は「Small Business Saturday」というイベントを開催し、中小企業の声を直接聞く機会を設けている。このイベントでは、政府関係者や地方自治体が中小企業の経営者と対話し、課題やニーズを把握することで、政策の改善や支援策の充実を図っている(SmallBusiness Saturday UK)

4.プラスチック若者会議について

 野心的で有効性の高い国際プラスチック条約の策定を目指すためには、若者の社会変革を牽引する力が不可欠です。
 そこで、プラスチック問題に危機感を持つU30の若者で集い、日本政府や関係機関などに対してプラスチック汚染対策について若者の意見として提言する会議、「プラスチック若者会議」を開催しました。
 本提言書は、7月〜10月の専門家からのインプットやテーマ別のチームで議論を行い、参加者全員で提言をまとめたものです。
(1)スケジュール ※講師は敬称略、順不同

DAY1 7月14日(日)14時〜18時
◾️開催形態:対面・オンラインのハイブリッド
◾️内容:専門家によるレクチャーでプラ汚染・条約の基本知識や各チームでのインプット
◾講師:
エリック・カワバタ(テラサイクルジャパン代表・アジア太平洋統括責任者)
高田秀重(東京農工大学農学部環境資源科学科教授)
三沢行弘(WWFジャパン サーキュラーエコノミー・マネージャー兼プラスチック政策マネー
ジャー)
三戸森宏治(独立行政法人国際協力機構(JICA) 企画部サステナビリティ推進室参事役・副室長)
吉村祐一(NISSHA株式会社事業開発室Re&Goグループプロジェクトリーダー)


DAY2 7月28日(日)14時〜18時
◾️開催形態:オンライン
◾️内容:専門家による追加レクチャー、各チームで提言内容を議論
◾️講師:
小池宏隆(国際環境NGOグリーンピース・ジャパンシニア政策渉外担当)


DAY3 8月17日(土)14時〜18時
◾️開催形態:オンライン
◾️内容:環境省・経産省へのオンラインヒアリングを実施し、引き続き議論、提言の中間発表


DAY4 9月1日(日)15時〜18時
◾️開催形態:台風によりオンライン、対面のDAY5を追加開催へ
◾️内容:提言書の最終化に向けた最後の議論・リサーチ


DAY5 10月6日(日)15時〜18時
◾️開催形態:対面
◾️内容:最終発表、DAY1、DAY2の講師からコメント
その後、11月のINC5(韓国)を見据え、政府や各機関への提言活動(9月〜10月)を行う。

 

​<組織紹介など省略>​

 参加者46名(事務局除く)

以    上

GPTY

Global Plastic Treaty Youth Initiative

  • Instagram

​実行力のあるプラスチック条約を求めるユースイニシアチブ

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